ガイアの夜明け
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- 次回(2025/04/04)予告
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■買収に踏み切った伊藤忠商事…一筋縄ではいかない改革の舞台裏に密着
2024年5月、伊藤忠商事などはビッグモーターの事業を引き継ぎ、「ウィーカーズ」を設立。看板は掛け替えたものの、250の営業拠点や建物は同じ。ただ、ビッグモーターの創業家や旧経営陣は、経営に一切関与せず、舵取りは伊藤忠側から送り込まれた人たちが手がけることに。
再建の中心に立っているのが、ウィーカーズの経営企画部長、合六渉氏。伊藤忠商事に入社後、国内外の企業の買収・再建を手がけてきた人物だ。
ビッグモーター問題が起きた際、伊藤忠の中で買収に動こうと、社内で稟議書を書くなどして、買収に向けて強く動いてきた人物でもある。
合六氏らウィーカーズの新経営陣はまず、ビッグモーターの旧経営体制について、「統制型であるが故に、組織にとって悪い話が上に上がってこない」と分析。社内の意識改革・コンプライアンス改革に着手することに。
ビッグモーターの営業力の強さの源泉の一つが給与水準の高さ。年収3000万円以上稼ぐ社員も珍しくなかった。その裏で、保険金不正請求事件の舞台となった「板金・塗装」の部署では、事故車両1台当たりの修理による収益ノルマが14万円前後と厳しいプレッシャーがかけられていたこともあり、現場ではゴルフボールを当てて、修理箇所を水増しして請求していた事案などが起きていたのだ。営業力の強さを維持しつつも、給与システムの再構築、そして現場のオペレーションをどう変えていくのか。その舞台裏に迫る!
■「利用したい気持ちはゼロ」“水没車”を買わされた客が起こした訴訟の行方
2022年にビッグモーターで103万円の軽自動車を購入した60代のA氏。しかし、シートベルトの根本部分が錆びているなど、水没車の疑いがある車を購入させられたとして、ビッグモーターを相手に損害賠償請求訴訟を起こした。
だが、ビッグモーターの問題発覚後、事業は伊藤忠に買収された一方で、債務の返済や全国で相次ぐ訴訟に対応するのは、BALM(バーム)という別会社が担当することに。そのBALMは去年12月、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請。債務の額が確定していないことから事実上、裁判がストップしている状態。A氏は旧ビッグモーター、そしてウィーカーズに対して、「表面を塗り替えただけ。メッキと一緒。そんな虫のいい話なんてない」と怒りを滲ませる。
■損害保険を扱う資格のない「ウィーカーズ」…しかし店舗には“ほけん”の看板が・・・
保険金の不正請求問題を受けて、金融庁から保険代理店の登録を取り消す処分を受けたビッグモーター。その事業を引き継いだウィーカーズも保険代理店の登録ができていないまま、現在も保険を取り扱うことができない状況が続いている。
だが、そのウィーカーズの店舗には「ほけんの窓口」のブースが。実はこのほけんの窓口も伊藤忠商事の子会社。保険を扱えないウィーカーズだが、伊藤忠グループのシナジーを出す形で損害保険を”事実上扱える”というわけだ。実は、この仕掛け人が合六さん。「必ずしも損害保険代理店の再登録を目指さない」と語る合六氏が目指す、新たな挑戦とは・・・
【案内人】長谷川博己
【ナレーター】田中哲司
番組情報
- 放送日時
- 毎週金曜日 夜10時~
- 出演者
- 【案内人】松下奈緒
【ナレーター】眞島秀和 - 「ガイア」とは
- “ガイア”のもともとの意味はギリシャ神話に登場する「大地の女神」のことでしたが、後にノーベル賞作家のウィリアム・ゴールディングが「地球」を「GAIA・ガイア」と呼んだことから、「ガイア=地球」という解釈が定着しています。つまり、「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉え、「夜明け=ニッポンの再生」を目指して奮闘している人たちを追いかける本格的ドキュメンタリーという意味合いが込められています。
- 音楽
- 新井誠志
- テーマ曲
- ◆オープニング曲
「鼓動」岸利至
◆エンディング曲
「夜空の花 2024」新井誠志 - おことわり
- 番組の内容と放送時間は変更になる場合があります。